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法律講座[まいたうん掲載]
地元今治市で発行されているタウン誌「まいたうん・今治版」(株式会社マイタウン今治新聞社発行)に連載中の法律に関するコラム『法律講座』掲載しました。
 法律に関する疑問点などの解消にお役立てください。
[法律講座・第11回〜第20回掲載]
第1回〜第10回 第11回〜第20回 第21回〜第30回 第31回〜第40回 第41回〜

法律講座・第11回
平成15年3月8日発行分掲載
裁判離婚 7 「宗教活動」
 最近、夫又は妻の宗教活動が原因で、夫婦関係が破綻したという理由で、離婚請求がなされる相談が増えているようです。
 宗教活動の自由は、夫婦と雖も、侵害することはできませんが、夫婦の一方が過度に宗教活動に専念し、相手の生活や気持ちを無視するような態度をとった結果、夫婦の関係が悪化し、婚姻関係を継続しがたい状態に至った場合には、離婚請求が認められるようになってきていると一般的には説明されております。
 しかし、個々の裁判例などを見る限りでは、認容と棄却の違いを説得的に説明できるほどの差があるようには思われず、むしろ、個々の裁判官の人生観、結婚観の差が大きいのではないかと思われます。
 個人的には、宗教という極めて内面的な問題について互いに相容れない価値観をもっていることは、夫婦としての精神的結合を極めて困難にするものだと考えております。
 次回は、「暴力・性的暴力」について、解説致します。
法律講座・第12回
平成15年5月10日発行分掲載
裁判離婚 8 「暴力・性暴力」
 肉体的暴力・性暴力が、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当するのは、当然といえます。
 但し、同居中の暴力は、人には相談しにくいため、別居してから、初めて、「実は」ということで問題が顕在化する場合がほとんどです。
 そのため、意外と立証が困難で、裁判ということになると、その証拠集めに苦労する場合が多いようです。なかなか、怪我の治療の際に、夫の暴力とはいえないものです。
 訴訟を有利に展開するためには、暴力を受けたら写真をとっておく、病院に行って治療を受け配偶者から暴力を受けた旨カルテに記載して貰う、暴力の状況を録音・録画しておく、暴力を受けた日時場所について詳細に記録しておくなどの証拠を確保することが絶対に必要となります。
 なお、暴言は、よく精神的暴力と言われる場合がありますが、ここでいう暴力は肉体的暴力を意味しますので、暴力には該当しません。
 次回は、「怠惰な性格・勤労意欲の欠如・多額の借金」について、解説致します。
法律講座・第13回
平成15年7月12日発行分掲載
裁判離婚 9 「怠惰な性格・勤労意欲の欠如・多額の借金」
 他方配偶者の怠惰な性格、勤労意欲の欠如、度重なる転職による生活能力欠如などを理由とする配偶者からの 離婚請求については、民法770条1項5号により離婚が認められる場合が多いと思われます。
 例えば、生活能力がなく怠惰生活をずるずると続ける夫に、妻は愛情を喪失し不信感が決定的になったという場合があげられます。
 但し、他方で、夫のサラ金などからの借金に苦しむ妻が離婚を請求したにも拘わらず、これを棄却した判決例 (仙台地判昭和60・12・19)もあります。この判決の事案は、借金問題以外には、婚姻生活を維持していく上で特に支障となるような事情は全く認められなかった事案と認定されてしまったため、棄却されたのでしょうが、実際には、判決の認定した事実からは、借金の問題だけではなく、その後の夫の誠意のない対応にも、かなりの問題があるように思われ、結論としては、認容されるべき事案ではなかったかと思います。
 最近、不況のため、当事務所でも、離婚よりも、債務整理の相談が非常に多くなっております。急遽、次回から、債務整理の方法について、説明させて頂きます。
法律講座・第14回
平成15年9月11日発行分掲載
債務整理 1 「はじめに」
 最近、不景気のため、個人、会社を問わず、債務整理の相談が多くなっております。
 個人の場合の債務整理としては、通常、示談、特定調停、個人再生、破産を挙げることができます。
 最近では、読者の皆様も、破産という言葉をよく目にしたり耳にしたりするのではないでしょうか。
 銀行であれ、消費者金融機関であれ、友達であれ、借りたお金は、きちんと約束どおり返還するということは、人間として当たり前のことです。
 しかし、勤め先を解雇された等のやむを得ない理由により、収入が途絶えてしまったため、返済できなくなった場合は、借り主の力ではどうしようもすることもできず、何らかの債務整理が必要になってきます。
 示談・調停は、金利をできるだけまけてもらって返済しやすいように貸し主と話をする方法です。個人再生は、大幅に元本までカットしてもらい、原則として3年で返済する方法です。破産(免責)は、借金を全額カットしてもらう方法です。
 特に、破産は、借金を全額カットしてもらう手続なため、やむを得ない事情が必要で、遊興費や詐欺等のために借金ができた場合には、免責をもらうことが難しくなります。誰でも借金が消える訳ではありません。また、破産者である間は、一定の資格制限などもあります。
 「返済が最近苦しくなったな。」と感じ始めたら、手遅れになる前に、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
法律講座・第15回
平成15年11月6日発行分掲載
債務整理 2 「自己破産【1】」
 最近、不景気のために、個人・会社を問わず、自己破産を申し立てるケースが増えております。
 破産手続は、債務者が経済的に破綻し債務総額を完済できない状態に陥った場合に、債務者の総財産を換価し、これをもって総債権者にその優先順位と債権額に応じて配当する手続をいいます。この場合、通常、破産管財人が破産宣告と同時に裁判所によって選任され、破産者、破産債権者のほか多くの利害関係人の利害を調整しつつ破産手続を遂行します。
 破産管財人が選任される場合、裁判所に納める費用は、目安としては、負債額が5000万円未満であれば、法人であれば、70万円、個人であれば、50万円、負債額が1億円程度であれば、法人が100万円〜200万円、個人が80万円〜150万円程度必要になります。破産手続を弁護士に依頼する場合には、さらに、その弁護士に支払う費用(弁護士費用)が別途必要になります(なお、弁護士費用については事件の種類・内容について異なります。)。
 いずれにしても、破産手続をする場合には、ある程度の費用が必要となりますので、「返済が最近苦しくなったな。」と感じ始めたら、手遅れになる前に、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
法律講座・第16回
平成16年1月10日発行分掲載
債務整理 3 「自己破産【2】」
 破産の法律相談の際に、「破産手続をとった場合、破産したことが、戸籍に記載されたり、選挙権を喪失したりなどするのではありませんか。」という質問をよく受けます。
 しかし、戸籍に記載されたり、選挙権を喪失することはありませんし、さらには、年金受給権も失うことはありません。
 但し、破産者が、税理士、取締役等に該当するのであれば、資格を喪失します。
 同時廃止ではなく、管財事件になる場合には、上記制限に加えて、郵便物が管財人の事務所に届く等の不利益は受けます。
 現在、松山地裁今治支部の破産手続が同時廃止手続であることからすれば、破産者自身が受ける不利益はさほど大きいものとはありません。
 同時廃止の場合の弁護士費用(実費は除く)については、法律事務所によって異なることから、はっきり明記はできませんが、概ね40万円から60万円の範囲であることが多いようです。また、破産等の債務整理の依頼を受けない事務所もあるようですし、事案の性質上、弁護士費用の分割払いに応じてくれる事務所はもっと少ないように思われます。
法律講座・第17回
平成16年3月13日発行分掲載
離婚 - 法律の改正
 離婚問題などを規律している法律(人事訴訟法と言います。明治31年制定)が改正され、新しい人事訴訟法が4月から適用されます。
 これまでは、家庭裁判所の離婚調停が不調になると、地方裁判所にて、離婚訴訟を提訴して解決を図ってきましたが、これからは、離婚訴訟は、調停に引き続き、家庭裁判所が取り扱うことになります。また、離婚訴訟における親権者の指定や養育費,財産分与等の申立てについて,家庭裁判所調査官の調査を活用することができるようになりました。さらに、人事訴訟の審理に当たり,国民の中から選ばれる参与員の意見を聴くことができるようにもなりました。
 以上、簡単に、新しい人事訴訟法について説明しましたが、実際のところ、余りにも大きい変化であるため、当 事者・裁判所ともに試行錯誤しながら、運用を定めていくように思われます。これからの法律講座は、変動期にある離婚手続について、解りやすく説明していきたいと思います。
 なお、これまで弁護士報酬を規律していた日弁連・愛媛弁護士会の報酬規程も、4月から廃止されますので、離 婚を頼する場合の弁護士費用も事務所毎に大きく異なることが予想されます。
法律講座・第18回
平成16年5月8日発行分掲載
離婚 - 子ども - 親権
 夫婦に未成年者の子どもがいる場合、その夫婦が離婚する際には、父母の一方を親権者と定めなければなりません。
 もとより、親権者の決定は、親の都合ではなく、子どもの利益や福祉を基準として行わなければなりませんが、双方とも子どもに対する強い愛情を有している場合が多く、非常に厳しい対立が生じる場合があります。
 統計の上からみると、親権を取得した者は、概ね、母親が80%、父親が20%となっております。中には、複数の子どもを父母がそれぞれ分ける場合もあります。
 実際に、親権者を決めるにあたって、いくつかの基準がありますが、主として、乳幼児と母親、監護の実績、経済的能力、子どもの意思、兄弟姉妹は一緒に育てるなどの基準があります。
 但し、上記各基準はいずれも等価値にあるのではなく、子どもが小さい場合には、の基準を中心に、大きくなった場合には、等の基準をも加味して決定されています。
 そうすると、一般的には、子どもが小さい場合には、母親が優先する場合が多いものと思われます。
法律講座・第19回
平成17年3月26日発行分掲載
結婚・離婚 「家庭を顧みない夫と離婚したい」
◎相談内容
「家庭を顧みない夫と離婚したい」
◎回  答
「離婚は、結婚と同様、本人の意思の合致があれば自由に行うことができ、当事者双方が離婚に合意できれば、協議により離婚することが可能です。しかし、離婚を夫が望まない場合、協議離婚は困難ですので、家庭裁判所に離婚調停の申立てを行う必要がありますが、調停でも合意に達することができない場合には、家庭裁判所(以前は地方裁判所)に離婚訴訟を提訴する必要があります。
 離婚訴訟において、離婚が認められるためには、民法が予定している離婚原因(不貞行為、生死不明など)が必要ですが、『家庭を顧みない』事案の場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由が必要です。私の経験からすれば、このような事案の場合には、認められるかどうか極めて微妙なケースが多く、離婚が認められるためには、婚姻中の両当事者の行為、態度、婚姻関係継続の意思、裁判に至った経緯などを考慮して、到底円満な夫婦生活の継続回復が期待できないと判断される場合に限定されるでしょう。」
 ※なお、相談内容については、「暮らしの法律基礎知識」(発行河北新報社)を参照しております。次回相談内容は、「夫が行方不明になった。離婚できる?」です。
法律講座・第20回
平成17年4月23日発行分掲載
結婚・離婚 「夫が行方不明になりました。離婚できますか」
◎相談内容
「夫が行方不明になりました。離婚できますか」
◎回  答
「前回の説明ですと、離婚を求める場合には、まず、離婚調停の申立を家庭裁判所に行う必要があるのですが、貴方のように、夫の行方が不明な場合には、話し合いができませんので、調停手続を省略して、離婚の裁判の申立ができます。
 もっとも、被告の夫は行方不明のため、裁判所も訴状を被告に直に送達することができませんので、公示送達という方法を使います。公示送達は、裁判所の掲示板に書類を提示してから一定の期間を経過した場合には、被告に到達したとみなす方法です。公示送達を使うためには、夫が行方不明であるということを客観的に証明する必要があります。捜索願を出していた場合には、警察から捜索願を受理した証明書をとりつける必要があります。なお、興信所に頼まれる場合には、各社によって費用が異なることから、事前に、調査費用を確認しておいた方が無難かと思います。
 但し、貴方からの離婚が必ず認められるわけではありません。なぜなら、夫の行方不明が3年以上経過している場合には、離婚原因の1つである「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」に該当するのですが、夫の行方不明が3年未満の場合には、上記離婚原因に直ちに該当しないからです。
 とはいっても、行方不明になったまま、何も連絡してこないような場合には、離婚原因の1つである「悪意の遺棄」に該当する可能性はあります。
 従って、夫の行方不明が3年未満の場合も、離婚が認められる場合は充分に考えられます。
 ※なお、相談内容については、「暮らしの法律基礎知識」(発行河北新報社)を参照しております。次回相談内容は、「夫が勝手に離婚届を出した。どうすればいい?」です。
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