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新聞掲載記事[愛媛新聞]
愛媛新聞に掲載された記事をご覧いただけます。
 こちらも法律に関する疑問点などの解消にお役立てください。

新聞記事No.1
平成16年7月28日愛媛新聞に掲載
『子ども(未成年者)の親権の決め方』
 夫婦が離婚する際に子ども(未成年者)の離婚はどのように決まるのか教えて下さい。
 夫婦に未成年者の子どもがいる場合、その夫婦が離婚する際には、父母の一方を親権者と定めなければなりません。もとより、親権者の決定は、親の都合ではなく、子どもの利益や福祉を基準として行わなければなりませんが、双方とも子どもに対する強い愛情を有している場合が多く、非常に激しい対立が生じる場合があります。
 統計の上から見ると、親権を取得した者は、おおむね、母親が80%、父親が20%となっております。中には、複数仁尾子どもを父母がそれぞれ引き取る場合もあります。
 実際に、親権者を決めるにあたってはいくつかの基準がありますが、主として、乳幼児の場合、監護の実績、経済的能力、子どもの意思、兄弟姉妹は一緒に育てるなどの基準があります。
 まず、の基準ですが、子どもが乳幼児である場合には、母親の細やかな愛情に基づく養育監護が必要であるという理由により、裁判例で非常に重視されています。
 ただし、父母の養育における役割も変化しつつあり、母親を優先することに対しては、批判的な見解も現れています。
 次に、の基準は、現実に子どもの監護をしてきたかという現状を尊重する基準ですが、この基準も、裁判例で非常に重視されています。
 ただし、右記各基準はいずれも等価値にあるのではなく、子Sどもが小さい場合には、の基準を中心に、大きくなった場合には、等の基準をも加味して決定されています。そうすると、一般的には、子どもが小さい場合には、監護している母親が優先する場合が多いものと思われます。
 ところが、母親が監護せず、父親が監護している乳幼児の場合には、の基準が対立するため、直ちに結論を導くことはできません。
 浦和地裁越谷支部の判例は、別居後2年間、子ども(3歳)を父親が養育していた事案について、母親に親権を付与した事例があります。この判例は、の基準を非常に重視した判例ですが、大変微妙な事案だといえます。
 他方、東京高裁の判例は、別居後3年間、子ども(8歳)を父親が養育していた事案ですが、父親に親権を付与しております。子どもの年齢が高くなると、の基準を非常に重視する傾向が強くなるようです。
 なお、子どもが15歳程度に成長すれば、子どもの意思がもっとも優先される場合が多いものと考えられています。
新聞記事No.2
平成17年5月26日愛媛新聞に掲載
『有責配偶者からの離婚請求について』
◎愛媛蜜柑さん(30歳女性)が、相談のため、正義葉勝法律事務所を訪ねてきました。
蜜柑さん  「先生。夫は、私という妻や産まれたばかりの子どもがいながら、勤務先の若い女と不倫をして、一方的に家から出ていきました。私は、子どもがいるため、夫とは別れたくありませんが、夫は、弁護士に頼んで離婚してもらうと強気です。私は離婚しなければなりませんか?」
正義先生  「貴方がもう一度やり直したいと考えているのであれば、貴方は離婚を拒むことが可能です。」
蜜柑さん  「ですが、正義先生、主人は、不倫をした側からも離婚が認められる場合があると言って、大変強気なので、心配なのですが。」
正義先生  「不倫をした者からの離婚請求については、従来は、認められることはなかったのですが、昭和62年の最高裁判所の判例変更により、不倫をした者からの離婚請求を認めるようになりました。」
蜜柑さん  「えー。じゃー、私、離婚されるんですか。子どももいるのに。どうしようかしら。踏んだり蹴ったりだわ。」
正義先生  「確かに、もし認められるとすれば、奥さんからみれば、踏んだり蹴ったりですね。しかし、最高裁判所も、無条件で、ご主人からの離婚請求を認めるわけではありません。」
蜜柑さん  「では、私の場合はどうなりますか?」
正義先生  「最高裁は、夫婦の別居期間が長期間に及び、未成熟の子どもがおらず、さらに、離婚を認めることによって精神的社会的経済的に極めて苛酷な状態におかれるような特段の事情がないことを、条件としています。」
蜜柑さん  「う〜ん。わかりにくいですね。具体的にはどのようなことですか?」
正義先生  「まず、長期間の別居が必要です。蜜柑さん、ご主人が出て行ってどの位経ちますか?」
蜜柑さん  「半年です。」
正義先生  「半年だとまず長期間の別居とはいえないですね。まぁ10年経過すれば、長期間の別居と考えていいのではないかな。また、蜜柑さんの場合、乳児がおられるようですので、その点からも、離婚が認められることはないでしょう。無条件で放り出されるとすれば、まさに踏んだり蹴ったりですからね。」
蜜柑さん  「夫からの離婚請求が認められることはないということですね。」
正義先生  「はい。そのとおりです。ただ、離婚を希望しているご主人が生活費を送金してくることは考えにくいから、生活費をもらう手続を家庭裁判所に申し立てるといいんじゃないかな。」
蜜柑さん  「詳しく教えて下さい。」
事務職員  「先生。そろそろ裁判のお時間です。」
正義先生  「今日の相談はこの辺にしましょう。また、予約の上、来所して下さい。次回相談に来られるときは、ご主人の収入のわかるものを持参して下さい。」
蜜柑さん  「わかりました。気持ちが落ち着きました。ありがとうございます。」
新聞記事No.3
平成18年1月26日愛媛新聞に掲載
『子どもの引き渡しについて』   
◎愛媛蜜柑さん(30歳女性)が、相談のため、今治の正義葉勝法律事務所を訪ねてきました。
蜜柑さん 「先生。2ヶ月前に夫の甘栗が余りにも私に暴力を振るうので、長女のデコポンちゃん(3歳)を置いて、家を飛び出してきました。甘栗は、絶対、デコポンちゃんを渡さないと言っています。私がデコポンちゃんを置いてきてしまったばかりに・・・ どうにかして取り返したいのです。」
正義先生 「貴方は離婚も考えているのですか?」
蜜柑さん 「はい。甘栗は、暴力だけではなく、勤務先の蜂子や蝶代と浮気もしているんです。」
正義先生 「それは大変ですね。貴方がデコポンちゃんを連れて別居しているのであれば、親権者を指定して貰うため離婚調停を申し立てるのですがね。」
蜜柑さん 「でも、離婚調停・裁判だと、決まるのに時間がかかるでしょう。私は、一日も早くデコポンちゃんを取り返したいのです。法律に詳しい方に聞いたら、人身保護法に基づく請求ができるとかなんとか言っていましたよ。」
正義先生 「人身保護請求ですか?これは、勾留や刑罰もあり、大変強力な方法ですが、甘栗はデコポンちゃんの親権者でもあるから、特別なことがなければ難しいね。まずは、子の引渡を求める調停(監護権調停)を申し立てることだね。」
蜜柑さん 「でも、先生。調停って、甘栗が応じないとだめなんじゃないですか?」
正義先生 「監護権調停の場合、甘栗が応じない場合には、デコポンちゃんの年齢から考えて監護権者を貴方に指定する審判がおりる可能性が高いからあまり心配ないよ。」
蜜柑さん 「でも、先生。デコポンちゃんは、甘栗に殴られ、顔中デコボコになっているんです。」
正義先生 「なんでそれを早く言わないのですか。そのような事情があれば、審判前の保全処分という手続で、早期に、子どもを取り返せると思うよ。審判前の保全処分は、緊急性があることが必要なんだけど、それを裏付ける充分な証拠があれば、裁判所は、引き渡しを認めてくれるよ。審判だと不服申立てされると、確定するまで時間がかかるけど、審判前の保全処分の場合には、保全処分について当然には執行停止の効力は生じないとされているから、甘栗に不服申立てされても、デコポンちゃんの引き渡しの請求が原則としてできるからね。ただし、審判前の保全処分は、緊急性が必要だから、それを裏付ける証拠、例えば、写真とか診断書とかなどをきちんと用意しておくことだね。また、デコポンちゃんに暴力を振るっているということであれば、児童相談所などにも相談する必要もあるね。」
蜜柑さん 「それでは、緊急性を裏付ける資料を用意いたしますので、一日も早くデコポンちゃんを取り返してください。」
正義先生 「精一杯努力させてもらうよ。」
新聞記事No.4
平成22年1月21日愛媛新聞に掲載
<身近な法律Q&A>『低髄液圧症候群に対する賠償』   
◎愛媛蜜柑さん(30歳女性)が、相談のため、今治の正義葉勝法律事務所を訪ねてきました。
相談者 私は自動車に追突されて低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)と診断されました。低髄液圧症候群に対する補償はどうなっていますか?
弁護士 低髄液圧症候群は、脳脊髄液減少症ガイドライン2007(脳脊髄液減少症研究会ガイドライン作成委員会)によれば、「脳脊髄液腔から脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し、頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、倦怠など様々な症状を呈する疾患である」と定義されています。平成13年に篠永正道医師(国際医療福祉大学附属熱海病院脳神経外科教授)がムチ打ち損傷後に低髄液圧症候群が生じることを発表されたことにより、一般に知られるようになりました。
 ただし、現時点での裁判例の多くは、国際頭痛分類第2版(ICHD-U)あるいは日本神経外傷学会の基準にて、被害者の症状を判断しています。結論として、これらの基準では起立時の頭痛等も最も重要な要素としているため、その症状が被害者に必ずしもないことを理由に、低髄液圧症候群を否定するケースが大半です。
相談者 それでは、被害者は治療費の補償を受けられないのですか。
弁護士 低髄液圧症候群が否定された場合には、それに対する治療は事故との因果関係が認められないため、本来は治療費の補償は受けられないことになりそうです。ただし、裁判例の中には、例えば「低髄液圧症候群との診断をしてその治療をしたのは医療機関側の判断と責任によるものであるから、被控訴人(被害者)が現にその関係の治療費を支払っている以上、それを安易に減額することは相当ではない」(福岡高等裁判所平成19年2月13日判決)という理由を示して、治療費の一部の支払を認めたものもあります。
相談者 休業損害についてはどうですか?
弁護士 低髄液圧症候群が否定された場合には、症状固定日は、事故と因果関係のあるムチ打ち症等についてのみ考えることになり事故から比較的近い時期に認定されるため、その結果として、休業損害期間も短くなる傾向にあります。
相談者 後遺障害として認められませんか?
弁護士  低髄液圧症候群自体を後遺障害として否認した裁判例はほとんどありません。但し、神経症状として、ムチ打ち症の場合に準じて、後遺障害14級を認めた裁判例はあります。低髄液圧症候群と診断された場合には、早期に交通事故賠償の知識に明るい弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
(弁護士 寄井 真二郎)